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アロマセラピー学会の認定試験受かりました。

もう今月初めのことなのですが、先月受験したアロマセラピー学会の認定試験に合格しました。


昨日認定証も届きました。


取りあえずほっとしたのですが、この資格、だから何ナノ?ってなものです。アロマセラピーは医学として確立されたものではないですし、精油やハーブを使った医療は保険では認められていません。正直、これだけで治療を行うことはできないと感じています。代替というより補完医療ですね。


我々が学んだ西洋医学は、病気を診る医学です。病気の原因を探ってそこを治す。アロマセラピーを発達させたルネ=モーリス・ガットフォセも西洋医学の診断学、病理学に基づき精油の有効性を研究しました。古くからあった精油の薬効を化学的に考察したという点では画期的でしたが、やはり効果効能で言えば一般的西洋医学の治療に一部を除き代わるものとはなりえません。


そこで私が興味を持っているのは、人の身体を診てより健康を目指す方法を体系化している「医学」として成立している学問、例えば中医学(漢方)やアーユルヴェーダアロマセラピーとの関連です。どちらも治療に薬草を用います。その成分と効果、使用方法は関連性があると思います。そして中医学アーユルヴェーダの考え方は似通っている部分があります。身体を3つの要素、気・血・水(津液)、ヴァータ・カパ・ピッタという観点から観て、そのバランスを取るのが大切と考えます。原因疾患をダイレクトに治すのではなく身体をより健康にするという目的で様々な方法を用います。それは、病気と治療薬という一対一対応ではなく、食事、生活習慣、マッサージ、経絡、生薬など総合的な方法です。


私が診療を行ってきて感じるのは、明確な病名がついて西洋医学を用い治療するのが相応しい疾患とそうでない疾患があるということです。


本来西洋医学では扱わないような疾患を扱うようになり、当然明確な方法論がないため従来の診断名に合わせて治療を行おうとするため、様々な問題が生じてきていると感じています。うつ病の増加の問題もそうです。これは、精神医学の診断学の変化も原因だと思います。


私が精神医学に親和性を感じて専門に選んだのは、人間を性格や育った環境などを含めて総合的に診て診断し治療をしていくものだったからです。でも、精神科医の中には、家庭や性格の問題を医療問題ではないと言って扱わない方も大勢いらっしゃいます。もちろん、これら全てを診察の場で扱っていけるものではありませんが、こころの不調にこれらの問題が関係がないわけがありません。薬で治せる疾患だけ扱っていくことは、治療効率を上げますし、自らの治療者としての満足度も上がるので不全感を感じず済む方法でもあります。でもそうしている中でも新型うつ病と呼ばれるような患者様達が増え、これまでのうつ病治療のセオリー通りに行かず頭を悩ます結果となったのです。
私の診察室では、生活リズムを整えバランスの良い食事を取って、仕事とオフの時間のメリハリを持てるようなアドバイスは、とても大事なポイントと考えています。お薬で治せる疾患は限られています。薬が必要と感じる方にはその旨伝えます。その上でより健康になれるよう生活そのものや心のあり方を改善していけるようにして行きます。


そうした中で、中医学アーユルヴェーダの知恵も借りながらアロマセラピーの知識を活かせたらいいなと考えています。