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お通じ・便秘のタイプ

お通じシリーズ4、最後です、多分。

その1序章はこちら

その2健康なお通じって?はこちら

その3食物繊維いろいろはこちら

食べ物はほぼ液体のかたちで胃から小腸、大腸へと流れていきます。大腸では水分の吸収が行われて便は固まっていきます。固まったものは流れが悪くなるので腸が動いて便は出口へと移動します。

大腸の動きが悪くなると中の便も動きが悪くなるので、大腸にいる時間が長くなります。そうすると便は水分を吸収され硬くなってより出づらくなります。この大腸の動きが悪いタイプの便秘は「弛緩性便秘」といいます。

腸の動きが悪いので動くように刺激すると便は出やすくなります。一般的な大腸刺激性便秘薬を使用すると腸は刺激され動くですが、無理に動かすためお腹が痛くなったり下痢になったりします。そして連用していると下剤で強く刺激した時しか腸が動かなくなっていきます。

お薬は手っ取り早くてもちろん効果は確かなのですが、食事から工夫していってお薬に頼りすぎないようにした方がより望ましいと思います。

この弛緩性便秘は腸に便がたまってるんだということを伝えることが大事です。ですから、便のかさを増やす食べ物が効果的です。具体的には前回お話した「非水溶性食物繊維」を多く摂ることが効果的です。玄米、豆類、ゴマ、きのこ等を食べる事を心がけ、規則正しい生活を通じてその2でお伝えした排便を促す身体の反射を機能させていくことで快適排便生活(笑)を図りましょう。

便秘のもう一つのタイプは「痙攣性便秘」と言います。腸の蠕動運動が前後バラバラに起こるため便が前に進まず行ったり来たりする状態です。少しづつしか便が直腸に便が降りてこないと兎の糞のようなころころの便になったり、ガスが溜まったり急に動き出して下痢したりするタイプで過敏性腸症候群もこのタイプです。

この痙攣性便秘は、腸への刺激を少なくして緊張を和らげた方が良いとされています。便のかさを増やすのではなく適度な柔らかさを保ちながら腸を通過させるために、果物、海藻などの水溶性食物繊維が有効です。めかぶ、山芋、納豆などのヌメヌメなど確かに効きそうです。(ウチの近所の居酒屋にはこの3種類にお醤油かけていただくメニューがあります。)果物の中でペクチンを多くのはりんご、柑橘の皮、いちじく、バナナなどです。いかにも!な感じですね。

お薬では便をゲル状にするものもあります。効果のほどは人それぞれ。悪くなないけど劇的改善は望めません。でもやはり食べ物で食物繊維を摂り、生活を改善していくことでより快適なお通じが得られるのだと思います。

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