そらクリニック外苑前のブログ *こころの空もよう*南青山の予約制の心療内科 女性のためのメンタルクリニック 女医 女性専門

女医による女性のための心療内科・精神科そらクリニック外苑前のブログ。東京都港区南青山、青山一丁目、渋谷、新宿からも近いです。

お医者さんになったワケ2

では、何故結局医学部に行ったか、ですが、、、

まとまらず長くなります。心に私の興味が向いたきっかけについてお話します。

ほわほわの夢と別に私の心に一つ影を落としていたことがありました。私の姉は知的障害があって養護学校に通っていました。小さな地方都市で育ちましたから、ご近所の方たちは皆さん我が家の事情はご存知です。暖かい眼で見てくれる方もいれば噂の種にする方もいました。幼い私は姉と一緒にいる時に人が振り返って見たりすることに過敏になっていました。姉は明るい性格で障害者のグループの中で元気に生活していましたし、家の中では両親はじめ祖母もとても優しかったし誇りを持って姉を育てていました。従業員の方達も皆さん姉を大事にしてくださいました。

そんな中で私は姉の事を恥ずかしく感じる事がいけないことだと思っていて、小学校高学年になり思春期に入った頃からその思いをどう処理したらいいのか悩むようになりました。そのため心の専門家に話を聞いて欲しいと思っていた時期があります。親に相談すると私が悩む事が親を悩ませるためつらい気持ちを口にするのもためらっていました。

そんな悶々とした日々が数年続き、少し霧が晴れた瞬間を今でも憶えています。中学3年生の時にクラスメイト数名でおしゃべりした時に「私の姉って障害者なんだ」って自分から話しました。前後の会話の流れはよく憶えてません。ただ自分から話してそれを周りの友人は受入れてくれたと感じました。特に慰めの言葉があったわけではなかったと思います。みんなそんなこと前から知っていて今更私がわざわざ口にしたところで大した問題ではなかったのです。

結局、成長とともにその悩みは消えはしないものの薄くなり、姉の事を気にするより自分がどう感じどう生きるかの方が大事になってきました。ただ、小学生の私がつまづいて、助けが欲しいって思っていたその気持ちを思い出すと胸が痛いような感じがします。その経験があってか私は心の中のことを考えることが好きになりました。精神分析の本を読んでみたり、友達に話したりするようになったのは高校生のころです。ただ友人によっては心の中の事を話題にするといやがる子もいました。見透かされる気がするとか本心を言葉にされることで不快を覚えるものだというのもこの頃知りました。そんな中でも友人に恵まれ、感じた事考えた事を飽きもせず話続けられたのも良い経験だったと思います。

そらクリニック外苑前のブログ14