そらクリニック外苑前のブログ *こころの空もよう*南青山の予約制の心療内科 女性のためのメンタルクリニック 女医 女性専門

女医による女性のための心療内科・精神科そらクリニック外苑前のブログ。東京都港区南青山、青山一丁目、渋谷、新宿からも近いです。

月がきれいです

気がつくともう9月も半ば過ぎ、、

早いです。朝晩は空気がひんやりして秋らしくなってきました。

今夜は中秋の名月ですし!お月さま、本当にきれいです。月明かりが影をくっきり作っています。クリアでほんの少し温かみのある月です。真冬の月とは違う、、。

クリニックでお出ししているお茶は暑い時期はアイスティにしてみましたが、これもそろそろホットティにしましょうか。

オープンからひと月ちょっとで一年になります。クリニックも混み合う日も増えてきました。でも夕方の時間帯は18時以降以外は比較的空いている日が多いです。お時間長めをご希望の方、ご相談ください。

アロマセラピー相談も始めてみました。そらクリニックに通院中の患者様を対象にしております。アロマグッズを一緒に作ってみませんか。費用は材料費程度です。どうぞお気軽にご相談ください。

ねこ写真展

もう今週末で終わってしまう写真展なのですが、なかなか良かったのでオススメします。

岩合光昭写真展 〜ねこ〜

NHKの番組でもおなじみの岩合さんの写真展です。世界ネコ歩き、いいですよね〜。

猫って警戒心が強いし、道で会ってもなかなか気を許してくれないのに岩合さんは見知らぬ猫ちゃんたちの懐にすーっと入ってしまう。だから猫ちゃんたちのとっても良い表情が写真に残る。

見ていていつの間にか会場のみんなが笑顔になっていました。

そして岩合さんの飼い猫だった海ちゃんのエピソード。。。泣けました。

ねこ、かわいー♪だけでない命との対話。生き物に対する尊敬と愛。それがあるからあの写真が撮れるのだなと感じました。

私は、ちゃんと向き合っているだろうか。。。そんなことを考えてちょっとしんみりして、結局最後はネコグッズを買ってご満悦で帰宅しました。

25日までですけど、クリニックに来られたらちょっと足を伸ばして渋谷ヒカリエまで行ってみてはどうでしょう。笑顔になれると思います。

 

男性脳のトリセツ

患者様のお話を伺っていると、女性が夫やボーイフレンドに求めることは皆同じだなと思うことがあります。大切な人に「わかってもらいたい」という気持ちが満たされず、不満や虚しさで自分の居場所がないように感じてしまう、、。もちろん全員ではないから一般的に、ということになりますが。

「わかってもらう」この簡単なようでとても難しいこと。

どうしたら「わかってもらった」という気持ちになるのか。。。

女性と男性は、身体の機能が違います。そしてもちろん脳の特性も違うのです。得意なことと不得意なことがあって、この特性の違いのためにすれ違うことも多くなるのです。

患者様たちにわかりやすく男性と女性の脳の働きが違うことを説明することができないかなと思って本を探してましたら、ある本に出会いました。

キレる女 懲りない男: 男と女の脳科学 (ちくま新書)

キレる女 懲りない男: 男と女の脳科学 (ちくま新書)

この中に女性脳の取扱い説明書と、男性脳の取り扱い説明書が箇条書きで書いてありました。ふむふむ、なるほど、そうだよね、という感じに軽く楽しく読めました。そして、これ、皆様も参考にされると良いかも!と思いましたので、ブログにupすることにしました。

そらクリニック外苑前の患者様は女性の方ばかりなので、男性脳のトリセツを引用させていただきますね。

1 思いやりで、愛を測らない

2 不満があったら、率直に言ってみる

3 優先順位で、愛を測らない

4 提案は、フェアな複数候補の態にする

5 愚痴や指図で追い立てない

6 家事の全容を理解させる

7 結論から言う、数字を使う

8 ものを取ってと頼むのは、必要最小限にする

9 秩序を、安易には乱さない

10 兄を立ててやる

11 夫を立てると、息子の成績が上がる法則

12 細かいゴール設定と、その確認を怠らない

13 死ぬまで、頼りにする 

本書にはその解説が書かれておりますので興味があおりであれば是非読んでみて下さい。私も夫とのやりとりに参考になることがありました。全て上手くいくとは限りませんが、結構使えるのでは?と思います。

女性脳のトリセツは、多くの女性が「そうよ!」とおっしゃるのではないかと思いました。ですから、本音を言わせてもらえば、女性がこの本を読んで男性脳を理解して対策するより、男性に女性脳のトリセツを理解していただけたら嬉しいわってことになるのですが。。。他者に理解して変わってもらうことより、まず、自分でできることをしてみましょう。女性が変われば男性も変わるかもしれませんから!

夏バテ

梅雨が明けたと思ったらいきなりの猛暑。体調を崩される方も多いのではないでしょうか。

7月もまだ半ばで夏バテには早いようですが、既に暑さで食欲が落ちている、何となくだるいなんてことはありませんか? 湿度の高い日本の夏は汗をかいても蒸発しないため体温が高くなりがちです。そうするとだるくなったりよく眠れなくなったりするのです。

暑い時には温かい食事を避けて冷たいものを多く取る機会が増えます。内蔵が冷えると消化機能が落ちますからよけいに食欲が落ちてしまいます。身体は体温調節をするために自律神経をフル活動させようとするのに栄養が足りず内臓は冷えている、これでは元気には過ごせませんよね。

大切なのは、暑い時でも3食ちゃんと食べること、たんぱく質、野菜を中心に温かいものを食べることです。お昼が冷たいめん類だったら夜は温かいものを食べるなどの工夫をしましょう。

つい、シャワーだけで入浴をすませていませんか? エアコンの効いた室内で過ごすと案外身体は冷えているものです。汗をかいたとしても身体表面の体温調節のためで内蔵は冷えていることもあります。こんな時に短時間シャワーを浴びただけですと、さっぱりはするのですが、体液の循環の助けにはなりません。浴槽にゆっくり浸かって十分水分補給しましょう。 日本人はお風呂文化の中で過ごしてきた人種です。他の民族より体温が低いのですから入浴で体温を上げて代謝を良くして免疫力も上げましょう。

しっかり汗をかいて、その分をちゃんと補給する。睡眠をしっかり取る。このサイクルが上手くいけば元気に夏を乗り切れると思います。 これまでも何度かブログに書いてきましたが、調子が悪いと思ったら基本に戻ることを忘れないでくださいね。

治療について

ブログに情報をいろいろ書いておりますが、そらクリニック外苑前で行っている治療についてまとめてみようと思い立ちました。

初めここに書くことも考えましたが、クリニックの情報としてホームページに載せた方がいいと思い新しくページを作りました。

こちらです。→そらクリニック外苑前の治療について

一般の心療内科、精神科として特別なことはしておりませんが、保険診療内で行う精神療法の内容としては、比較的きめ細かい丁寧な診療を行っていると思います。

患者様と医師とは相性の問題もあります。

病気を治すのが仕事ですし、病気未満の方にもより健康になっていただきたいと考えています。そして患者様にも健康になることを望んでいただきたいと思っています。残念ながらより健康であること、善く生きることを目標にできないケースが極く稀にいらっしゃいます。すごく残念なことです。医師として、人として、譲れないことでもあるのでそんな時に私は厳しいひとになります。

具体的にどういうことかと言いますと、生活を見直す事なく単に薬に頼ろうとする態度や薬物への依存などです。見逃せません。

皆様。善く生きましょう。

心療内科と精神科

さて、この科目はどう違うのでしょうか。

心療内科という科目は実は日本にしか存在しません。元々は心身医学という、疾患を身体の病気だけでなく心理的、社会的な側面から診る考え方から発達しています。ドイツで生まれアメリカで発展したのですが、その中心は精神科医でした。

日本では、疾患の発生に心理的要因が大きく関わる身体的な病気を扱うものとして内科の分野から発達してきました。自律神経失調症という概念もこの内科の先生たちが名付けた病名で、世界的な統一見解に基づいた病名ではないのです。

いわゆる自律神経失調症は症候群で、国際的理解で言えば神経症やうつ病などの精神疾患に付随する各種身体症状ということになります。

ちなみに外国には心療内科医はおりません。

 では、何故、日本では心療内科のお医者さんがたくさんいるのでしょうか。

実は、心療内科を標榜している医師の殆どが精神科医です。要するに諸外国と事情は同じなのです。標榜科に「心療内科・精神科」とある場合は精神科医が一般精神疾患と心身症も診ると理解して良いと思います。一昔前の精神科の開業医は「内科・心療内科」と標榜する方も多かったです。これは、精神科を受診する抵抗を少なくするためでした。最近は標榜科に精神科をあげる抵抗が少なくなった印象があります。

ところで、本物?の心療内科医は存在するのでしょうか。

日本のいくつかの大学には心療内科があります。そこで経験を積んだ医師は専門医制度もありますし心療内科医であると言えると思います。

心療内科では主に心身症を診ているはず・・・でしたが、私が大学を卒業して最初に入った心療内科の医局では、心身症中心というより神経症や軽度のうつ病の患者様が多かったのです。精神病を診ない精神科という印象を受けました。(この感想に関しては異論も多いかと思います。)

心療内科という科目は、こころと身体を両方診るという素晴らしいコンセプトを持った科ですが、一歩間違うとイメージ先行、中身があれれ?な医師もいる可能性があります。心療内科や精神科での臨床経験がないのに標榜している医師もいる印象なので、おかかりになる前に最低限経歴や資格のチェックはした方が良いと思います。

因みに精神科医の専門性を見る資格は、学会認定の制度ではなく、精神保健指定医という精神保健福祉法という法律に基づく資格が一つの指標になります。この資格を持っていないと精神科の病棟で働くに当たって半人前なのです。諸事情あり精神科の学会認定の専門医制度の歴史は非常に浅いものです。上の世代の医師はこの専門医を持っていなくても十分な知識と経験を持っている精神科医が大勢いらっしゃると思いますが、最近は学会認定専門医も取るのが主流だと思います。

心療内科・精神科の医療機関を受診される時の参考にして下さい。

 

妊娠中のお薬、どうします?

お薬のお話シリーズ番外編です。

お薬は安定剤に限らず、妊娠した場合の危険(催奇形性と呼ばれる奇形をおこす可能性がある)が伴います。安定剤だから危険ということではなく、痛み止めや量によってはビタミン剤も妊娠中は服薬しない方が良いお薬があります。

妊娠中のお薬をどうしたら良いか困ってしまう場合、東京ですと虎ノ門病院の産婦人科が妊娠と薬の相談を予約制で行っています。虎ノ門病院では、評価基準を5段階に分けていて、抗不安薬、睡眠薬は殆どの薬が催奇形性の5段階評価(最も催奇形性の高いものが5)の4です。抗てんかん薬の一部は5のものもあります。

治療上危険性より投与した方が有益である時のみ投与すべきとされるお薬が殆どで、次に投与しないことが望ましいとされ、いくつかは投与しないこと(禁忌)とされているお薬も数種類あります。

そしてこの危険性は妊娠期間によって変わります。薬の影響が特に心配されるのは、受精卵が活発に細胞分裂をして身体のいろいろな器官ができてくる時期です。具体的には妊娠4週から7週末までの時期にあたり、お薬の影響が最も敏感に現れます。この時期は先ほどの5段階評価の3にあたるお薬でも警戒レベルで、薬を服用していない場合に奇形が起こる可能性を1%とすると2〜3%程度になるかも知れないと言われています。できれば、この時期はどのお薬も飲まないことが望ましいと私は考えています。薬の影響でなくても生まれてきた赤ちゃんに何らかの障害はあった場合、「あの時私が薬を飲んだせいかもしれない」とずっと後悔する原因を作らないほうがよいと考えるからです。

妊娠4週というのは、生理の予定日から一週間を指しています。一週間くらい生理が遅れることが多い方ですとこの時期に妊娠に気づかない事もあると思います。妊娠して子宮に受精卵が着床するとヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が増えていくのですが、妊娠検査薬は妊娠3週では陽性に出ないことが多いです。一般的な市販の検査薬は生理予定日から一週間後、ようするに妊娠5週になってから検査できるタイプです。これはhCGの感度によるものですので、検査薬によっては妊娠4週から検査できるものもあるようです。

生理が遅れていて妊娠に気づいた時には4週目、5週目に入っているということになり、お薬の影響が出やすい時期に入ってしまっていることになるので注意が必要です。

妊娠を望む時は普段から基礎体温をつけていくことで排卵日を知る事ができ、高温期が延長していれば早めに妊娠に気づく事ができます。高温期の延長で既に妊娠4週、ですが、この時期に早めにお薬を中止すれば胎児への影響は少ないと考えます。

妊娠3週までのお薬の影響はどうなの?と不安に思う方もいらっしゃると思います。卵子に何らかの影響があっても元々健康でない卵子は受精できないか受精したとしても育つことができないと考えられています。ですから受精して着床して育つ卵子は健康だと考えて良いと思います。

まとめます。

普段から基礎体温をつけて自分の身体の状態を把握しましょう。

妊娠は計画的に。妊娠を早くキャッチしてお薬をどうするかは、あらかじめ主治医と相談しておくとよいと思います。

個々のお薬の危険性については、ご相談いただければ診察時に説明いたします。